大手消費者金融

大手消費者金融

ノンバンクとは

金融業は、以下の 4 分野に分類されます。

  1. 銀行
  2. 証券
  3. 保険
  4. ノンバンク

銀行のように融資機能はあるが、預金や為替取引を行わず、銀行法に基づく免許も取得していない金融機関をノンバンクといいます。

ノンバンクの業種

ノンバンクには、以下の業種があります。

  • 信販会社
  • 消費者向け貸金業者
  • 事業者向け貸金業者
    • 不動産担保融資
    • 有価証券担保融資
    • 商工ローン
    • その他
  • 質屋
  • リース
  • その他

大手消費者金融の株式公開

1990 年代、大手消費者金融は株式公開しました。

大手消費者金融の株式公開
1993 年 9 月 プロミス/三洋信販、店頭公開
10 月 アコム、店頭公開
1994 年 4 月 ニッシン、店頭公開
12 月 プロミス/アコム/三洋信販、東証 2 部上場
1995 年 10 月 シンキ、店頭公開
11 月 クレディア、店頭公開
1996 年 8 月 武富士、店頭公開
9 月 プロミス/アコム/三洋信販、東証 1 部上場
ニッシン、大証 2 部上場
1997 年 8 月 アイフル、店頭公開
9 月 クレディア、東証 2 部上場
アース、札幌証券取引所上場
1998 年 10 月 アイフル、東証 2 部上場
12 月 武富士、東証 1 部上場
ニッシン、東証 2 部上場
1999 年 2 月 シンキ、東証 2 部上場
9 月 クレディア、東証 1 部上場
ニッシン、東証大証 1 部上場
2000 年 3 月 武富士、ロンドン証券取引所上場

消費者金融大手 6 社による消費者金融連絡会

消費者金融大手 6 社とは、以下を指します。

  • 武富士
  • アコム
  • プロミス
  • アイフル
  • ほのぼのレイク
  • 三洋信販

1997 年 2 月に、レイク以外の 5 社が「消費者金融 5 社連絡会」を結成しました。
5 月にはレイクも加入し、「消費者金融連絡会」と改称します。

消費者金融連絡会のテレビ CM に登場したタパルス博士は、Takefuji, Acom, Promise, Aiful, Lake, Sanyo の頭文字を繋げて名付けられました。

ほのぼのレイクは後に GE コンシューマー・ファイナンスとなり、2003 年 4 月に消費者金融連絡会を脱退しています。

格付機関の大手消費者金融に対する評価

アメリカを中心とした海外の格付機関は、日本の銀行よりも大手消費者金融に高い評価を与えています。

様々な定量データや定性データを分析した結果、格付機関は銀行よりも大手消費者金融のビジネスモデルが優れている、と判断したのです。

これは海外の投資家だけでなく、日本の消費者からの信用を得ることに繋がっています。

ハーバード・ビジネス・スクールとプロミス

2001 年 4 月、アメリカのハーバード・ビジネス・スクール(ハーバード大学経営大学院)の MBA コースのウォルター・クメール準教授が、プロミスを研究事例として採用することになりました。

発表された概要は、以下の通りです。。

  1. 日本の経済と金融セクター:バブルの崩壊
    • 1990 年代の日本経済の状況
  2. 消費者金融会社とプロミス
    • 草創期 (1962 - 1979)
    • 成長期 (1980 - 1983)
    • 変革期 (1984 - 1990)
    • 再創業期 (1991 - 1999)
  3. 新たなる始まり:プロミスにとっての新たな金融へのチャレンジ
    • 現在の強みを超えるために? 99 年 12 月の変化(出資法金利引下げ)?新たな機会(合弁設立、M & A)

大手消費者金融の日本経団連への入会

2002 年 11 月、武富士・アコム・プロミスの日本経団連への入会が理事会で承認されました。

旧経団連は、消費者金融を含む特定業種の入会を認めておらず、多重債務者の弁護団が慎重な対応を求めていました。

しかし、以下の理由から入会が許可されました。

  • 株式上場などの入会条件を満たしている
  • 社会の認知度も高まっている

大手消費者金融の好業績

バブル崩壊以降も、大手消費者金融は好業績を上げ続けています。

これは以下の理由により、新規客や既存客の獲得に成功しているからだと思われます。

  • 広告・宣伝などの各種広報による認知度・イメージの向上
  • 高い格付の獲得や経団連への入会による信用度の向上
  • ノンバンク社債法による低利での資金調達

消費者金融上位 10 社(大手 6 社を含む)は、消費者金融業界の貸付残高の約 8 割を占めています。

消費者金融の勝ち組と負け組

消費者金融にも、勝ち組と負け組があります。

正確に言えば、資金力・知名度・顧客数に勝る大手 50 社程度が勝ち組で、他のほとんどは負け組になっています。

株式を公開していたり他の大手企業の連結対象になっていたりすると、ノンバンク社債法により低利で資金調達ができます。

更には、事業計画や設備投資も大規模になり、大手による寡占が進んでいます。

消費者金融と出資法

2000 年 6 月 1 日に改正された出資法により、上限金利は 29.2 % となりました。

それまでの貸付利率は、大手消費者金融が 30 % 前後/中小消費者金融が 35 ? 40 % であり、大手業者にとっては 29.2 % でも影響はほとんどありませんでした。

しかし、大手より低い与信でも高い金利で融資していた中小業者(貸付残高 30 ? 50 億円以下)にとっては経営を圧迫することになり、消費者金融の二極分化に拍車を掛けました。

出資法改正前後の消費者金融

早稲田大学消費者金融サービス研究所の調査によると、出資法改正前(1999 年 11 月)の消費者金融の規模による経営状態は以下の通りです。

消費者金融の規模による経営状態
消費者金融の規模 株主資本利益率 ROE
中規模業者(貸付残高 30 億円以上) 20 % 以上が多い
小規模業者 3 ? 10 %

出資法改正後、上位 45 社の貸付残高 9600 億円のうち 6965 億円を大手 6 社が占めることになりました。

消費者金融連絡会の貸出制限

大手消費者金融による消費者金融連絡会では、同一人物の借入件数を 3 件(3 社)までとしています。

無担保による融資のため、金利を高くすると同時に件数にも制限を付けているのです。

以下のように同じ 30 万円を借りるにしても、下ほど貸出リスクが大きいと判断されます。

  1. 1 社から全額借りる
  2. 2 社から 15 万円ずつ借りる
  3. 3 社から 10 万円ずつ借りる

中堅消費者金融の貸出制限

消費者金融連絡会の借入件数は 3 件(3 社)までですが、中堅消費者金融では 6 社程度までなら融資を受けられます。

ただし、利息は大手消費者金融よりも高くなります。

4, 5, 6 社からの借入は多重債務ですから、早い段階で家族や弁護士に相談しましょう。

借入金額の合計が 100 万円程度であれば、何とかなる可能性が高くなりますが、逆に、6 社を超えると、解決が難しくなります。

国内・外資企業による消費者金融の主な買収

国内・外資企業による消費者金融の主な買収は、以下の通りです。

国内・外資企業による消費者金融の主な買収
社名 買収企業 時期 内容
ディック
ファイナンス
アソシエイツ
(アイク)
1998/5 発行済株式の約 90 % を
ダイエーグループから取得
日専 1998/11 全株式取得、日本法人アイクへ譲渡
コーエー
クレジット
GE キャピタル 1998/1 全株式を幸福銀行グループから買取
レイク 1998/11 営業権買収
キャスコ オリックス 1999/5 株式の 40% を取得して筆頭株主に
シンコウ プロミス 2000/4 全株式取得、全額出資子会社
リッチ 2000/6 株式変換による全株式取得
東和商事 2000/3 株式の 25% を譲渡
ハッピー
クレジット
アイフル 2000/3 営業債権を譲渡
スカイ 2000/3 営業債権を譲渡
信和 2000/6 株式取得
オリエント信販 ユニゾン
キャピタル
2000/6 株式取得
富士キャッシュ
サービス
2000/6 株式取得

ライフの会社更生法申請とアイフル

1998 年、日本長期信用銀行(長銀)が破綻しました。

長銀をメインバンクとして資金調達していた信販会社中堅のライフは経営難に陥り、2000 年 5 月に会社更生法を申請します。

このとき、アイフルが引受手として名乗り出て、クレジットカード業界進出の足掛かりとしました。

アイフルの傘下に入ったライフは、順調に業績を上げています。

同様に、三洋信販はマイカルカードを買収して、名称をポケットカードに変更しています。