悪徳業者と悪質商法

悪徳業者と悪質商法

貸金業規制法に基づいた登録業者を合法金融と呼びます。
消費者金融・商工ローン・クレジット業者・日掛金融などは、貸金業者としての登録を行っています。

合法金融の大半は、利息制限法の上限年利以上かつ出資法の上限年利以下の「グレーゾーン」で営業しています。

それに対して、無登録の貸金業者は闇金融(非合法金融)です。
闇金融の貸出金利は、出資法の上限年利よりも高いことが一般的です。

貸金業の登録業者の闇金融

以前、闇金融は貸金業の登録をせずに営業していたのですが、現在は、貸金業の登録をして営業する業者が増えています。

闇金融が貸金業の登録を行う理由として、以下が挙げられます。

  • 無登録営業による貸金業規制法違反を防ぐ
  • 利用者を欺く
  • スポーツ新聞や夕刊紙や雑誌などの広告掲載基準を満たす

都 (1) 業者(トイチ業者)

貸金業の登録は都道府県知事登録の場合、43000 円の登録手数料を納めれば、貸金業規制法 6 条の登録拒否事由がない限り、誰でも簡単に手続きができます。

貸金業の登録をしながら、出資法の上限金利を超える年利で貸付を行う闇金融には、東京都知事登録業者が多く見られます。

更に、登録して 3 年未満で更新番号が (1) であることが大半であるため、「都 (1) 業者(トイチ業者)」と呼ばれます。

トヨンとトゴ

闇金融の金利は、以前は「トイチ(10 日で 1 割)」「トニ(10 日で 2 割)」と言われていましたが、現在は「トヨン(10 日で 4 割)」「トゴ(10 日で 5 割)」が主流になっています。

これらの年利は、以下の通りです。

闇金融の年利
闇金融 年利
トイチ 365 %
トニ 730 %
トヨン 1460 %
トゴ 1825 %

中には、「1 日で 1 割(年利 3650 %)」も出現しています。

整理屋・示談屋

整理屋・示談屋は、「クレジット・サラ金苦解決」「低利で債務一本化」などの広告で多重債務者を集めます。

「債務整理をする」などと言って多額の手数料を取りますが、債務整理は極めて杜撰で、借金が増えるだけのことがほとんどです。

買取屋

買取屋は、「借入件数の多い方でも即融資」などの広告で多重債務者を集めます。

債務者のクレジットカードで家電製品などを購入させて、購入額の 3 ? 4 割で買取ります。

債務者は、一時的には現金を受取れますが、やがてクレジットカード会社から代金と手数料の請求書が届きます。

紹介屋

紹介屋は、借入件数や金額が多くて大手消費者金融に断られた債務者に対して別の業者を紹介し、融資額の 2, 3 割を紹介料として受取ります。

自分が頼むから借りられるように話しますが、実際は何もしなかったり、融資した業者とグルだったりします。

年金屋

年金屋は、老人から融資の際に以下などを預かり、振込まれる年金を勝手に引出します。

  • 年金証書
  • 印鑑
  • 通帳
  • キャッシュカード

年金は、本人が生きている限り振込まれるので、自己破産でもしない限り回収できます。

システム金融

システム金融とは、主に中小企業の事業者に FAX やダイレクトメールで融資の勧誘を行い、実際に合わずに電話だけで即日融資する闇金融です。

金額は 50 万円前後が多く、50 万円の場合は 25 万円の手形や小切手を 3 通、1 週間ずつずらした日付で送付します。

宛先は私書箱か局留で、電話も転送されるようになっており、ほとんどが無登録業者です。

実質金利は 800 〜 2000 % であるため、借主は資金繰りがつかないことを見越して、支払前日から別のシステム金融から似たような勧誘を受けます。

2 番目以降のシステム金融は、別名を騙った最初の業者であることもあるし、裏で繋がっている別の業者であることもあります。

この営業形態から、業者自ら「システム金融」と称していると言われます。

090 金融・携帯金融

090 金融・携帯金融は、新聞や DM やチラシなどに携帯電話の番号だけを掲載して、利用者を募ります。

090 金融・携帯金融は貸金業者の登録をしていないので、警察の摘発を逃れるために事務所を置かず、携帯電話だけで利用者と連絡します。

携帯電話も、プリペイド式や他の債務者から取上げたものを使います。

金額は 2 〜 3 万円と低額ですが、3 〜 5 日で 1 割の高利で貸付けます。

チケット金融

チケット金融は、家具リース金融・自動車リース金融と手口が似ています。

チケット金融は以下の手順で、実質的な貸付(表向きはチケットの売買)を行います。

  1. チラシなどで利用者を募集する
  2. 新幹線や高速道路のチケットを利用者に料金後払いで販売する
  3. 利用者は、購入したチケットを指定された金券屋に 6 ? 7 割の価格で売却することにより、現金を得る
  4. 1 週間後に、チケット金融に料金を払う

チケット金融と金券屋はグルのことが多く、場合によっては同じ店鋪であることもあります。

チケット金融業者は出資法違反を免れるために、「チケットの売買」を装っていますが、実質年利が出資法の上限を超えれば犯罪になります。

家具リース金融・自動車リース金融

家具リース金融・自動車リース金融は、チケット金融と手口が似ています。

家具リース金融・自動車リース金融は以下の手順で、実質的な貸付(表向きは家具や自動車のリース)を行います。

  1. チラシなどで利用者を募集する
  2. 利用者の家具や自動車を買取る
  3. 買取った家具や自動車を利用者に、高いリース料金で貸す

家具リース金融・自動車リース金融業者は出資法違反を免れるために、「家具や自動車のリース」を装っていますが、実質年利が出資法の上限を超えれば犯罪になります。

押貸し・空貸し

押貸しの手口は、以下の通りです。

  1. 名簿業者や情報屋から、多重債務者・若者・主婦の個人情報を入手する
  2. 被害者の住所は問わず、情報がある口座に勝手に 1 万円を振込む
  3. 融資を申込んでもいない被害者に、「1 週間後に、利子を付けて 2 万円にして返済しろ」と要求する

空貸しは、お金を振込まずに押貸しと同じことをします。

提携弁護士

提携弁護士は、紹介屋に紹介料を支払って多重債務者を紹介してもらい、債務整理を行います。

しかし、弁護士事務所には整理屋が入り込んでいることが多く、整理屋が中心となって債務整理を担当します。

提携弁護士は、顧問料の名目で月額 50 ? 300 万円の名義貸料を整理屋から受領していますが、債務整理にはほとんど関与しません。

提携弁護士を「特定弁護士」、紹介屋や整理屋を「非弁護士業者」「非弁業者」と呼ぶこともあります。

非弁護士業者と提携弁護士の逮捕摘発

提携弁護士は、東京の 3 つの弁護士会所属の弁護士を中心に、全国で 120 人以上いると言われています。

1999 年 6 月から 2000 年 7 月に掛けて、7 人の提携弁護士が非弁護士業者(紹介屋や整理屋など)グループと共に、弁護士法違反(非弁護士との提携)容疑で東京地検特捜部に逮捕されています。

また 2000 年 3 月には、東京国税局が非弁護士業者の「大谷グループ」「コスモリサーチグループ」を所得税法違反と法人税法違反で刑事告発して、東京地検特捜部が幹部を逮捕しました。

逮捕された弁護士は、東京弁護士会や第二東京弁護士会に所属しており、元東京地検検事や元東京高検検事も含まれていました。

弁護士業務の広告解禁

日本弁護士連合会は、2000 年 10 月 1 日から弁護士業務の広告を原則解禁(自由化)しました。

これを受けて、整理屋が提携弁護士の名前で広告を出すようになり、多重債務者の被害が拡大するという問題も生じています。

新聞・雑誌の広告や電車の吊り広告や DM を見ただけでは、真面目な弁護士と提携弁護士の区別を付けるのは難しいと言えます。

ドイツの闇金融

ドイツには、日本の利息制限法や出資法に当たる金利規制法がありません。

しかし、市場平均金利の 2 倍を超える金利を暴利として無効とする判例が多くあります。

無効の判決が出ると、債権者は残元本の返還請求はできますが、利息の請求は一切認められません。

ドイツの全ての金融機関が判例法を遵守しているため、ドイツには闇金融がありません。

フランスの闇金融

フランスでは、フランス消費者法典で金利が規制されています。

この金利規制法では、日本の日本銀行に当たるフランス銀行が 3 ヶ月に 1 度ずつ調査して発表する、消費者金融・不動産金融・事業者金融などの市場平均金利の 4/3 倍を超えると暴利貸借利率となります。

暴利貸借利率には、禁固か罰金が科されるため、フランスには闇金融がありません。